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Google Antigravityに「自社専用SaaS」を開発させた全記録を公開します。

2026 1/15
Implementation Guide
2026年1月15日

Aixisでは先日、検証記事の信頼性を高めるために「Aixis Scoring Model」という新しい評価基準を導入しました。

5つの項目を5段階で評価し、レーダーチャートで可視化するものです。

しかし、ここで地味ながら深刻な課題が発生しました。

「Canvaで毎回グラフを作るのが、あまりに非効率である」という問題です。

数値を「4.5」から「3.0」に変えるたびに、マウスで頂点をミリ単位でドラッグして調整する。

記事の執筆という「本質」以外の作業に、多くのリソースが割かれていました。

「欲しいツールがないなら、作ればいい」 そう思い立ち、私はGoogleの実験的なAIエージェント環境「Antigravity」を開きました。

もちろん、私はコードを書きません。

AIという「部下」に指示を出すだけです。

これは、エンジニアではない私が、たった30分で「自社専用ツール」を開発させた全記録であり、これからの企業におけるシステム開発のあり方を問うレポートです。

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「Google Antigravity」とは何か?

本題に入る前に、今回使用した「Google Antigravity」について解説します。

Google Antigravity 公式画像
Google Antigravity 公式サイトより

これは単なる「ChatGPTのようなチャットボット」ではありません。

これまでのAIは、テキストやコードを「生成」するだけでした。

しかし、Antigravityのような「エージェント型AI環境」は、生成したコードをその場で「実行」し、エラーが出れば「修正」し、ブラウザで「動作確認」まで行います。

つまり、「優秀なエンジニアが1人、ブラウザの中に常駐している」と考えてください。

人間が行うのは「要件定義(プロンプト)」だけ。

あとはAIがターミナルを操作し、環境を構築し、アプリを完成させます。

Phase 1. 【発注】指示は「英語で数行」だけ

開発のスタートは、チャット欄への「発注(プロンプト入力)」から始まります。 私が送った指示は、以下のような非常にシンプルなものです。

Antigravity 最初のプロンプト
  • 「テックメディア『Aixis』用のレーダーチャート生成ツールを作って」
  • 「商品名とスコアを入力したら、リアルタイムでグラフに反映させて」
  • 「デザインは『Cyberpunk/Tech Aesthetic』なダークモードにして」
  • 「画像としてダウンロードできるようにして」

技術的な細かい指定(Reactを使うか、どのライブラリを使うかなど)は、あえて書きません。それはAIが最適なものを選べばいいからです。

Phase 2. 【施工】AIが勝手に環境構築を始める

Enterキーを押した瞬間、エージェントが動き出します。 ここからの私は、ただ画面を眺めているだけです。

エージェントは自律的に考え、「ReactとViteを使おう」「グラフ描画にはRechartsが最適だ」と判断し、ターミナルでコマンドを打ち込み始めました。

Antigravity 構築開始の様子

npm install が走り、必要なパッケージが次々とインストールされていきます。

もし依存関係のエラーが出ても、人間が介入する前にAIが「あ、バージョンが合わなかったですね。修正します」といった具合に自己解決して進めていきます。

Phase 3. 【試行錯誤】「画面が真っ白」からの自律リカバリー

順調に進んでいるように見えましたが、最初のプレビューが表示された瞬間、トラブルが起きました。 画面が真っ白です。何も表示されません。

Antigravity エラー時の様子

従来の外注開発であれば、ここでコミュニケーションコストが発生します。

しかし、AIエージェント開発ではその必要もありません。

私が何も言わずとも、エージェントは「UIが表示されていないことを検知しました。

DOMのレンダリング順序に問題があるようです。修正します」と自己診断を下し、即座に修正コードを書き始めました。

Antigravity 修正の様子

この「自己修復能力」こそが、エージェント型AIの真骨頂です。

人間は、彼らが転んでも立ち上がるのを待っていればいいのです。

Phase 4. 【完成】30分で「社内ツール」が稼働

プロンプト入力から約30分後。 修正が完了し、ブラウザがリロードされると……そこには完璧なツールが動いていました。

スコアリングツール 全体像
  • UIデザイン: 指示した通りの「ダークモード × ネオンカラー」。Aixisの世界観そのものです。
  • 操作性: 左側のスライダーを動かすと、右側のグラフがヌルヌルと動きます。
  • 機能: 「画像をダウンロード」ボタンを押せば、記事に使える高解像度PNGが一瞬で保存されます。
スコアリングツール チャート画像

Canvaで作る場合には最低でも10分はかかってしまう作業が、このツールのおかげで「10秒」に短縮されました。

しかも、デザインのズレや配色のミスは絶対に起こりません。

Phase 5. 【補足】一手間で半永久的に稼働

もちろんこのままでもツールは正常に動作するのですが、セッションのタイムアウトが起きてしまうとサーバーは開かなくなってしまいます。

Antigravityのバックグラウンドコマンドには制約があるようです。

そこで人間の一手間で、半永久的にサーバーを起動させることができるやり方をご紹介します。

まずはAntigravityが使用していたファイルを見つけダブルクリックします。

次に一番下の「新規ターミナルでフォルダに移動」をクリックしましょう。

するとこちらのコマンドが開かれるので、末尾に「npm run dev」と入力してサーバーを起動させます。

そうすることによってユーザーのターミナルで動かせるので、このターミナルを閉じない限りサーバーは動き続けます。

以上がステップとなります。定期的にツールを起動させたい場合は必ずこの措置を施しておくようにしましょう。

結論:ビジネスにおける「開発の民主化」が始まった

今回の検証で重要なのは、「便利なグラフツールができた」ことではありません。

「エンジニアではない人間が、たった30分で、業務に特化した社内ツールをゼロから開発できた」という事実です。

多くの企業において、「現場の小さな不便」は放置されがちです。

情報システム部に頼むほどでもない、外注する予算もない。

そうしてExcel職人や手作業による非効率が温存されてきました。

しかし、Antigravityのようなエージェント環境があれば、話は変わります。

  • 営業部門が、「日報を自動集計するダッシュボード」を自作する。
  • 経理部門が、「特定のPDF形式をCSVに変換するツール」を自作する。
  • マーケティング部門が、「競合データを比較する可視化ツール」を自作する。

これらが、エンジニアのリソースを使わずに、現場レベルで即座に実装可能になるのです。

ビジネスパーソンに必要なスキルは、自ら手を動かして作る力から、「AIという優秀な部下を動かし、欲しい成果物(Output)を定義する力」へとシフトしています。

「システムは買うもの、あるいは作ってもらうもの」という常識は、今日で終わりです。

Aixisは、こうした「AIによる開発の民主化」の実践例も含め、ビジネスを加速させるための検証情報を今後も発信し続けます。

Implementation Guide
目次
Aixis 実機検証依頼
監修:林田凪冴
Aixis 所長 / チーフアナリスト
「感覚」ではなく「数値」で選ぶ、
ビジネス実装のためのAI実証ラボ『Aixis』を運営。

生成AI黎明期より実務での実装検証を行ってきた独自の視点で、ネット上の噂を排除した「一次情報(エビデンス)」のみを発信します。 完全中立の立場で、ツールの導入リスクまで包み隠さず公開します。
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