【編集部ポリシー:独立性と透明性について】
本記事は、Aixis編集部が中立的な立場で企画・検証を行ったものであり、ツール提供ベンダーからの金銭的授受、事前チェック、記事内容への介入は一切ありません。 評価結果は、当社の「Aixis Scoring Model」に基づき、客観的な事実のみを記載しています。
はじめに:その「美しさ」は、現場で武器になるか。
AIスライド作成ツール界において、世界的な知名度とシェアを誇る「Gamma(ガンマ)」。

公式サイトを開けば「あなたのアイデアを実現させましょう」「電光石火」といった魅力的なコピーが並び、洗練されたUIはクリエイター心をくすぐります。
しかし、私たちAixisが検証したいのは「オシャレなポートフォリオが作れるか」ではありません。
「泥臭い日本の決算資料や稟議書を、明日の会議で使えるレベル(=実務品質)で出力できるか?」 この一点に尽きます。
「海外製ツールはデザインが綺麗だが、日本語が中華フォントになったり、レイアウトが崩れて結局パワポで作り直しになる」 そんな通説をGammaは覆せるのか。
Aixis独自の検証環境「Standard Test Bench」を用いて、一切の忖度なしに判定します。
Aixis Scoring:Gamma
まずは、Aixis独自の評価基準「Aixis Scoring Model」による総合評価です。
結論として、Gammaは「グローバル基準の資料作成」においては高評価ですが、「日本固有の商習慣への適合」には課題を残す結果となりました。

総合スコア:4.2 / 5.0
実務適性 - Practicality:4.5
単なる個人ツールではない。PowerPoint形式での完全なエクスポートが可能であり、既存の社内ファイル運用(Google Drive/OneDrive)にスムーズに統合できる。また、Teamプランでの共同編集機能も強力で、マニュアル不要のUIは新人スタッフのオンボーディングコストを最小限に抑えるだろう。
費用対効果(ROI)- Cost Performance:4.5
検証では作成時間を「30分以上→4分30秒」に短縮。月額約3,000円のライセンス料は、わずか1回の資料作成で回収可能な計算。さらに、PPTX形式で手元にデータを残せるため、将来的な解約時にデータが人質になる「ベンダーロックイン」のリスクも極めて低く、導入障壁は低いと判断する。
日本語能力 - Localization:3.0
ここが唯一の弱点。日本語入力自体は流暢だが、グラフの単位がデフォルトで「$(ドル)」になる、フォントが和文・欧文混在のような不自然さがあるなど、日本の「堅い資料」として提出するには手直しが必須。サポート体制も現状は英語ベースである点を考慮し、厳しめの評価とした。
信頼性・安全性 - Safety:4.5
米国公認会計士協会が定める「SOC 2 Type II」を取得済みであり、セキュリティ水準は上場企業の導入要件を満たしている。通信・保存データの暗号化に加え、法人プランでは「AI学習へのオプトアウト(データを利用させない設定)」が可能であり、情報漏洩リスクは適切にコントロールされている。
革新性 - Uniqueness:5.0
単なる生成AIのラッパー(ガワだけ変えた製品)ではない。「ドキュメントとスライドの中間」という独自のUI/UXを構築しており、代替不可能な価値を提供している。開発ロードマップも活発で、Webサイト作成機能への展開など、長期的なビジネスパートナーとして陳腐化しないポテンシャルを持っているだろう。
Gammaとは?:スライドの概念を変える「新媒体」

検証の前に、Gammaの立ち位置を整理しておきます。 Gammaは単なる「PowerPointのAI版」ではありません。
開発元はこれを「ドキュメントとスライドの中間にある新しい媒体」として定義しています。
1. 「白紙」を飛ばして、いきなり完成形へ
最大の特徴は、テキスト入力やファイルアップロードから、数秒でデザインされたスライド(カード)を生成する「Generate」機能です。

「Paste in text(テキスト貼り付け)」や「Import file(ファイル読み込み)」を選択するだけで、AIが構成案からデザインまでを一気通貫で行います。
2. プレゼン、ドキュメント、Webサイトをこれ1つで
Gammaで作れるのはプレゼンテーションだけではありません。
「ドキュメント(配布資料)」や「Webサイト(LP)」の形式でも出力可能です。
従来の「紙芝居」のようなスライドではなく、スクロールして閲覧するWebページに近い挙動をするのが特徴で、URLを共有するだけでリッチなコンテンツを相手に届けることができます。
3. AIによる「ワンクリック編集」
作った後の手直しもAIが主役です。
「AIによる編集をワンクリックで実現」とある通り、レイアウト変更や画像の差し替え、翻訳などを対話形式で指示できます。
検証レギュレーション:Aixis Standard Test Bench
本記事では、他の資料作成AIツールの検証と同様、Aixisが定めた統一基準「Aixis Standard Test Bench」に基づいてテストを行います。
「なんとなく使ってみた」という主観を排除し、「ビジネスの現場で納品レベルに持っていくまでのコスト」を数値化するためです。
【検証条件:Aixis Standard Test Bench (v1.0)】(資料作成・スライド作成AI)
- 入力データ 架空のSaaS企業「株式会社Aixis」の決算短信PDF(https://drive.google.com/file/d/1tqzjNoh-IoEkZxEwtwCGoGIhJ0zRDIRJ/view?usp=sharing)
- 指示プロンプト 「添付の決算資料をもとに、投資家向けのピッチデック(スライド資料)を6枚構成で作成してください。トーン&マナーは『信頼・先進的』で青を基調とすること。」
- ゴール(計測終了地点) 生成されたスライドを人間が手直しし、「クライアントに提出できるレベル(80点)」になった時点。
- 測定環境 MacBook Air M3 / Chrome最新版 / 通信速度 100Mbps
それでは、実際に決算短信PDFをGammaに読み込ませ、検証を開始します。
【実証実験】決算短信PDF vs Gamma
Step 1: 生成

PDFをアップロードし、プロンプトを入力してから生成完了までわずか約1分。
驚くべきは、その「解析能力」です。
決算短信という無機質なテキストデータから、「売上高240%増」「会員数1万人突破」といったハイライトを的確に抽出し、適切なグラフや強調表現に落とし込んでいます。
Step 2: 人間による「尻拭い」修正
ここで、海外製ツール特有の「壁」に直面しました。

- 通貨単位の壁: 日本円のデータであるにも関わらず、グラフの単位がデフォルトで「$(ドル)」表記になってしまっています。
- フォントの違和感: 「日本語として読める」ものの、明朝体とゴシック体が微妙に混ざったような「AI特有のフォント感」があり、スライド全体の信頼性を損なう可能性がありました。これをビジネス標準のフォント(メイリオやゴシック等)に統一する作業が発生しました。
Step 3: 検証結果
修正作業を含めた最終的なタイムは7分30秒でした。
実際に完成したPower Point スライド全6枚は以下の通りです。
【検証評】
PowerPoint書き出し後も、テキスト・図形ともに編集可能なオブジェクトとして出力され、スライド全体の色味やトンマナの崩れはありませんでした。総じて、「中身(ロジック)」の生成能力は極めて高いです。しかし、「見た目(フォント・通貨)」のローカライズが甘いため、そこを人間が補正する必要があります。それでも「トータル4分半」は驚異的な数字であり、修正の手間を差し引いても余りある時短効果と言えます。
コストと安全性:企業導入のハードルは?
機能が優秀でも、コストが見合わず、セキュリティがザルであれば企業導入は不可能です。
公開されているプランとセキュリティ仕様を精査しました。
① 料金プラン(ROI分析)
Gammaのプランは「個人向け」と「チーム(法人)向け」に分かれています。
個人向け(Pro): 月額2,500円/ユーザー(年払い)
AI生成が無制限(または高上限)になり、高度なAIモデルが利用可能。個人でバリバリ使うならこのプランが現実的です。
企業向け(Business): 月額5,900円/ユーザー
シングルサインオン、SOC 2認証に関するドキュメントの発行に加え、高度なデータコントロールが可能。
ROI(費用対効果)判定
月額約5,900円というコストは、「月2~3時間」の残業削減で元が取れる計算です。
今回の検証で「1資料あたり30分以上の短縮」が見込めるため、月に2〜3本資料を作る人なら、投資対効果(ROI)は非常に高いと判定できます。
② セキュリティ(安全性)
海外ツール導入で最も懸念されるセキュリティですが、Gammaは世界基準の堅牢性を確保しています。

- SOC 2 Type II 準拠: 米国公認会計士協会が定める厳格なセキュリティ基準をクリアしています。これは多くの日本上場企業が導入条件とするラインです。
- データの暗号化: 通信時(TLS 1.2+)および保存時(AES-256)の暗号化を完備。
- 学習データへの利用: 法人プラン(Business)等の規約により、入力データがAIの学習に利用されないよう制御可能です(※導入前に要確認)。
結論:Gammaは対抗馬になり得るか?
結論として、Gammaは「グローバルスタンダードな資料作成」においては最強のツールです。
- 向いているケース:
- スタートアップのピッチ資料
- 社内向けの迅速な共有資料
- Webブラウザで見せるオンライン商談
- 向いていないケース:
- 「紙で印刷すること」を前提とした、伝統的な日本企業の稟議書
- 1円単位の正確性が求められる財務資料(通貨単位修正の手間があるため)
日本の「コテコテの決算資料」を作るには、まだ少し「日本語力」と「空気読み力」が足りません。
しかし、その圧倒的なスピードと論理構成力は、「構成案(たたき台)を作るパートナー」として割り切れば、右に出るものはいません。
「デザインはGamma、仕上げはパワポ」 このハイブリッドな使い方ができるDX人材こそが、AI時代の勝者となるでしょう。
Gamma 公式サイトはこちら
【編集部ポリシー:独立性と透明性について】
本記事は、Aixis編集部が中立的な立場で企画・検証を行ったものであり、ツール提供ベンダーからの金銭的授受、事前チェック、記事内容への介入は一切ありません。 評価結果は、当社の「Aixis Scoring Model」に基づき、客観的な事実のみを記載しています。
本製品は、Aixis Labの厳格な監査基準(Scoring Model)をクリアし、
ビジネス現場での実用性と高いROIが認められた「認定ツール」です。


