【編集部ポリシー:独立性と透明性について】
本記事は、Aixis編集部が中立的な立場で企画・検証を行ったものであり、ツール提供ベンダーからの金銭的授受、事前チェック、記事内容への介入は一切ありません。
評価結果は、当社の「Aixis Scoring Model」に基づき、客観的な事実のみを記載しています。
はじめに:その「頭脳」は、現場で武器になるか。
「検索エンジンが、ついでにスライドも作ってくれたら最高なのに」
そんな横着なビジネスパーソンの願いを叶える機能が、日本発のAI検索エンジン「Felo(フェロー)」に搭載されています。

Feloは本来、Perplexityのような「回答する検索エンジン」ですが、検索結果やアップロードしたファイルを元に、スライド資料を生成する機能を持っています。
しかし、専用ツールではない「検索エンジンのオマケ機能」は、果たしてビジネスの現場で通用するのでしょうか?
結論から言えば、Feloは「デザイナーとしては三流だが、軍師(参謀)としては超一流」でした。
Aixis独自の検証基準を用いて、その特異な実力を丸裸にします。
Aixis Scoring:Felo(スライド作成)
まずは、Aixis独自の評価基準「Aixis Scoring Model」による総合評価です。
思考プロセスにおける「革新性」という部分が高水準であり、全体的にも比較的高い評価をすることができます。

総合スコア:3.9 / 5.0
実務適性 - Practicality:3.0
生成スピードに課題: PDF読み込みから完成まで「12分」という時間は、昨今の爆速AIツールと比較するとストレスを感じます。また、PPTX書き出し時の動作も重く、急ぎの資料作成には向きません。
費用対効果(ROI)- Cost Performance:4.5
コスパは最強クラス: 月額2,000円台で、GPT-4oやClaude 3.5 Sonnetを利用した「高性能検索」ができ、さらにスライド生成まで付いてきます。「検索ツールのついで」と考えれば破格のROIです。
日本語能力 - Localization:3.5
諸刃の剣: 国産ツールだけあり日本語の流暢さは完璧です。しかし、今回の検証で「社名(固有名詞)」を勝手に一般的な英単語に書き換えてしまう事象が発生。ビジネス文書において固有名詞の誤記は致命的であり、減点対象となりました。
信頼性・安全性 - Safety:3.5
プランごとの懸念: 無料版や個人プランでは懸念が残りますが、ビジネスプラン(Premium以上)では「企業顧客データの分離(LLM学習への不使用)」が明記されています。 SOC2などの第三者認証の記載が現時点で見当たらないため最高水準には及びませんが、適切なプラン契約を行えば、一般的な企業での利用には十分なセキュリティ水準を確保できると考えられます。
革新性 - Uniqueness:5.0
唯一無二の「提案力」: 特筆すべきは「誰に向けて作るか?」をユーザーに問いかけ、構成案を複数提示してくるプロセスです。単なる生成マシーンではなく、思考の壁打ち相手として機能します。
Felo(フェロー)とは?:日本発の「回答するAI」
Feloは、日本のAIスタートアップ企業であるSparticle株式会社が開発したAI検索エンジンです。

最大の特徴は、世界中の言語で情報を検索し、日本語で回答を生成する「クロスランゲージ検索」機能。日常の調べ物から学術論文の検索まで、幅広く対応しています。
そのFeloが搭載する「スライド作成機能」は、通常は検索結果をそのままスライド化するものですが、今回はPDFファイルの読み込みにも対応しているため、その実力を他社ツールと同じ土俵でテストします。
検証レギュレーション:Aixis Standard Test Bench
本記事では、他の資料作成AIツールの検証と同様、Aixisが定めた統一基準「Aixis Standard Test Bench」に基づいてテストを行います。
「なんとなく使ってみた」という主観を排除し、「ビジネスの現場で納品レベルに持っていくまでのコスト」を数値化するためです。
【検証条件:Aixis Standard Test Bench (v1.0)】(資料作成・スライド作成AI)
- 入力データ 架空のSaaS企業「株式会社Aixis」の決算短信PDF(https://drive.google.com/file/d/1tqzjNoh-IoEkZxEwtwCGoGIhJ0zRDIRJ/view?usp=sharing)
- 指示プロンプト 「添付の決算資料をもとに、投資家向けのピッチデック(スライド資料)を6枚構成で作成してください。トーン&マナーは『信頼・先進的』で青を基調とすること。」
- ゴール(計測終了地点) 生成されたスライドを人間が手直しし、「クライアントに提出できるレベル(80点)」になった時点。
- 測定環境 MacBook Air M3 / Chrome最新版 / 通信速度 100Mbps
それでは、実際に決算短信PDFをFeloに読み込ませ、検証を開始します。
【実証実験】決算短信PDF vs Felo
Phase 1: 驚愕の「コンサルティング提案」
PDFをアップロードすると、Feloはすぐに生成を始めるのではなく、まず「どのような切り口で資料を作るか?」をユーザーに提案してきました。

- ソリューション1: プロンプト通りの内容(For You)
- ソリューション2: 経営陣・取締役会向け
- ソリューション3: 採用・パートナー向け
これは他のスライド生成AIには見られない挙動です。
「とりあえず作ります」ではなく、「ターゲットは誰ですか? それによって構成を変えますよ」とAI側からコンサルティングをしてくるのです。
今回は「ソリューション1」を選択しましたが、この思考プロセスが可視化されている(ホワイトボックスである)点は、ブラックボックスになりがちなAI生成において非常に高い安心感を与えてくれます。
また、生成された構成案も見事でした。 元のPDFでは末尾にあった「主要KPI」を、投資家が最も関心を持つ冒頭(ハイライト直後)に配置換えしています。
「書いてある順」ではなく「伝わる順」に再構成する能力は、Sランク級の知能と言えます。
Phase 2: 長すぎる「待ち時間」とアウトプットの落差
しかし、生成ボタンを押してからが苦難の始まりでした。
1枚ずつじわじわと生成されるスライドを待ち、PPTX形式で書き出し、手直しを終えるまでにかかった時間は約12分。
数分で完了する専用ツールと比較すると、体感時間はかなり長く感じます。
そして出力されたスライドのデザインの一部がこちらです。
- ブログ記事のようなデザイン: 「プレゼン資料」というよりは、「ブログの解説画像」や「教科書の挿絵」に近いレイアウトです。
- 文字密度が高すぎる: 口頭で補足すべき内容まで全てテキスト化されており、プロジェクターで投影するには視認性が悪すぎます。数字同士の間隔も狭く、窮屈な印象を受けます。
- 単位の変換は優秀: 一方で、元データで「百万円」だった単位を、グラフ上で「億円」に自動変換するなど、数字への理解度は非常に高いです。
Phase 3: 【致命的】社名を勝手に書き換えるAI
そして、今回の検証で最も看過できない事象が発生しました。

架空の社名「株式会社Aixis(アイクシス)」とPDFに明記されているにも関わらず、Feloが生成したスライドでは「株式会社Axis(アクシス)」と勝手に書き換えられていました。
FeloのLLMが「Aixisという単語は一般的ではない。Axis(軸)のスペルミスだろう」と気を利かせて自動校正してしまったと推測されます。
しかし、企業名や商品名の誤記は、ビジネスにおいては信用問題に関わります。この「お節介機能」は、企業ユースにおいては重大なリスク要因(諸刃の剣)と言わざるを得ません。
手直しを加えて完成したスライド全6枚
コストと安全性:企業導入のハードルは?
機能が優秀でも、コストが見合わず、セキュリティがザルであれば企業導入は不可能です。
Feloの料金体系は「個人」と「組織」で明確に分かれており、選ぶプランによってROIが大きく異なります。
① 料金プラン別 ROI分析
Feloには大きく分けて「個人向け」と「ビジネス(チーム)向け」の2つの価格帯が存在します。
A. 個人・小規模利用(年額プラン)
- コスト: 月額 1,750円(年払い)
- 機能: 高度なAI検索(Pro Search)が無制限に近い感覚で利用でき、スライド生成も月300ページまで可能。
- ROI判定: 「時給2,000円のアルバイト」以下のコストで、24時間稼働のリサーチャーを雇える計算です。
月に1時間でも「調べ物」の時間を短縮できれば元が取れるため、個人事業主や社員の個人利用においては驚異的なコスパを誇ります。
B. 企業・チーム利用(Premium / Ultimate)
- Premium: 月額 5,899円 / シート
- Ultimate: 月額 9,899円 / シート
- 企業向けだけの機能:
- 強化されたデータプライバシー: 企業顧客データを積極的に分離し、LLMの学習に使用しない設定が含まれます。
- チーム管理: メンバーの追加・削除や請求の一元化が可能。
ROI判定
月額約6,000円〜というコストは、一見すると個人版の3倍以上ですが、「情報漏洩リスクの遮断」という保険料を含んでいます。 もしFeloを使わずに外部のリサーチ会社やコンサルタントに「市場調査と資料作成」を依頼すれば、1件あたり数万〜数十万円がかかります。Felo Ultimateなら、その10分の1以下のコストで、社内の全プロジェクトのリサーチを内製化・高速化できます。 「外注費の削減」という観点で見れば、稟議を通すのに十分な投資対効果があります。
② セキュリティ(安全性)
導入にあたって最大の懸念点はセキュリティです。
無料版や個人プランの規約では免責事項が目立ちますが、上位のビジネスプラン(Premium/Ultimate)では「企業顧客データの分離(学習利用なし)」が明記されています。

- 個人プラン: 機密情報の入力はNG(公開情報の整理に留めるべき)。
- ビジネスプラン: 社内規定に則り、機密情報の取り扱いが可能になる(※要社内確認)。
企業で導入する場合は、安易に個人プランを経費精算するのではなく、セキュリティが担保されたビジネスプランでの契約を強く推奨します。
結論:完成品を求めるな、その「脳」を使え。
Feloは、美しいスライドを一発で出力してくれる「デザイナー」ではありません。
しかし、膨大な情報を整理し、ターゲットに合わせて構成を練り直してくれる「極めて優秀な構成作家(プランナー)」です。
Aixisが提唱するFeloの活用法:
- Feloで「構成案」を作る: PDFを読ませ、「誰向けにするか」を相談し、スライドの骨子(アウトライン)を作らせる。
- デザインは人間(または他ツール)がやる: Feloが出した構成案を元に、Gammaやイルシル、あるいはPowerPointでデザインを整える。
この「分業」こそが、Feloのポテンシャルを最大限に引き出す最強の布陣と言えるでしょう。
Felo 公式サイトはこちら
【編集部ポリシー:独立性と透明性について】
本記事は、Aixis編集部が中立的な立場で企画・検証を行ったものであり、ツール提供ベンダーからの金銭的授受、事前チェック、記事内容への介入は一切ありません。
評価結果は、当社の「Aixis Scoring Model」に基づき、客観的な事実のみを記載しています。
本製品は、Aixis Labの厳格な監査基準(Scoring Model)をクリアし、
ビジネス現場での実用性と高いROIが認められた「認定ツール」です。


